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サラっと判る！屋久杉

日本固有の樹木で、今では日本全国各地に分布しているスギですが、鹿児島県の屋久島という離島だけが持つ特異な厳しい環境下で育ったスギのうち、樹齢が1000年以上のものだけを「屋久杉」と呼んでいます。

屋久杉が自生するのは古より山岳信仰する屋久島の人々に神様が住まうと信じられている山です。
その神聖な地に昔から自生する屋久杉にも神様が宿っているとされ、御神木として守られてきました。

時が過ぎ、豊臣秀吉の時代の藩政により、屋久杉の伐採が始まりました。
年貢として納める米の田んぼは屋久島の土地には不向きで、その代わりに屋久杉を納めることになりました。

その為、幕末までに当時育っていた屋久杉の5～7割が伐採されたと言われています。

明治時代になり、森林の8割が国有林となりましたが、戦時中には日本軍の為に、戦後復興期には失った住居などの為に、高度経済成長期には日本の発展の為の『資源』として伐採は続きました。

山の再生を考えることのない皆伐方式の伐採で屋久島の各地で自然は失われていき、それにより生態系は崩れ、住民が住む里のエリアにも災害をもたらしました。

国策である伐採計画は屋久島の現状を知ることのない人々が机上で立てたものでした。

住民のほとんどが林業に、またはそれに関係する仕事で生計を立てていた為に、伐採に関しての反対運動は屋久島の住民にとっても受け入れ難いものでしたが1993年世界自然遺産登録を機に２０００年を過ぎる頃までにようやくエリア毎に順次伐採が禁止となりました。

その後はかつて伐採され、山中に放置されていた土埋木（どまいぼく）と呼ばれる屋久杉が山から持ち出されていましたが、今ではそれらの持ち出しも禁止となり、それまで毎年定期的に行われていた屋久杉のセリも2019年３月を最後に終わりを迎えました。

今後は山から持ち出す必要があるべき屋久杉があった場合などに不定期でセリが行われるそうです。

屋久杉（縄文杉）は日本で最高樹齢を持ち、世界の長寿樹木ランキングにも入り、世界中に知られています。