スギを知る

スギ ( 杉 )
ヒノキ科スギ亜科スギ属 [1]
常緑針葉樹 1属1種の日本固有の植物
植物学名「Cryptomeria japonica(クリプトメリア ヤポニカ)」
ラテン語「隠された日本の財産」の意
日本の樹木で 一番植栽面積が多く [2] 、一番背が高く成長し [3]、一番長生きする [4]
天然の分布 青森県鰺ヶ沢町矢倉山 〜 鹿児島県屋久島町 [5]
縄文時代の遺跡からは木材片やスギの丸木舟が発見されており、道具や住居など様々な用途で人々の生活に密着していたものであることが分かっています。
《 世界的に有名なスギ 》
縄文杉(じょうもんすぎ) 鹿児島県屋久島町

日本で一番の長寿木 推定樹齢2170年〜7200年
世界長寿樹木ランキング 第4〜8位
※幹の中心部が消失している為、樹齢は推定となり、ランキングも不確定となっています。
樹高 25.3m 胸高周囲 16.4m
荒川登山口から 歩行距離 約20Km 往復所用時間 約10〜11時間
縄文杉を見るための日帰り登山者数 2008年度 9万人 近年 6万人
[1] 以前はスギ科とされていましたが、近年のDNAの遺伝子分析に基づいた分類体系により、ヒノキ科に統合されました。
[2] 日本の森林面積の17%はスギの人工林。人工林に占めるスギの割合は43%
[3] 一番背の高い杉 「花脊(はなせ)の三本杉」 62.3m
京都市左京区 大悲山(だいひざん)国有林内
[4] 一番長生きの杉 鹿児島県屋久島町 「縄文杉」 推定樹齢2170年〜7200年
幹の中心部が消失されている為、正確な樹齢は不明
[5] 現在のスギ分布は植林により北海道の道南地域〜沖縄県の本島北部に広がっています。
・・・・・・ スギのルーツ ・・・・・・
スギ科(現在のヒノキ科)の植物は中生代(2億5000万年前〜6600万年前)末に出現し、第三紀(6500万年前〜170万年前)初めに全地球上に分布を広げました。
その後は氷期の寒冷・乾燥で大部分の場所で絶滅したのですが、限定された分布域の多雨多湿域や水辺域で生き延びることができたものがありました。
屋久島の地で避難していたスギがその1つです。
台湾の先祖から進化してきたと推察されています。
氷河時代が終わり、暖かさの回復とともにスギは北上を開始し、高知県の魚梁瀬(やなせ)など各地にスギの自生地を残しながら、東北まで分布を広げていきました。
屋久島のスギの遺伝子型が変化に富むことからも、日本のスギのルーツは屋久島のスギだったと推定されています。
・・・・・・ スギの名前の由来 ・・・・・・
真直ぐの木「直ぐ木(すぐき)」
成長が早いことから「すくすく育つ木」
上へ上へと伸びることから「ススキ(進木)」
など諸説ございますがいずれの説もスギの成長の様子が語源になったと考えられます。
・・・・・・ スギの作用・使用用途 ・・・・・・
スギの材の特徴として、冬は暖かく、夏は涼しい環境を作ることができる調温作用、除湿と加湿の調整をする調湿作用、殺菌作用、抗菌作用、カビや雑菌の繁殖を抑える作用、防虫作用、通気作用、防水作用などがあります。
樹木は光合成によって二酸化炭素を吸収し、地球温暖化を防止する作用があることはよく知られていますが、大気中の有害ガスを吸収・吸着して空気を浄化する作用もあることもわかり、スギはその作用が顕著であることが分かりました。
木材として加工しやすく、また直線的な木目が美しいことから様々な用途に活用されてきました。
柱・天井板・建具などの建築材全般、家具、木箱、樽、桶、下駄、割りばし、包装用材、装飾材、船舶材、電柱など
奈良時代に書かれた日本書記には「スギは舟に使いなさい」の記述もあります。
現在では素朴な質感や柔らかな手触りなどを五感で感じとれる雑貨や食器が好まれたり、日本酒やウイスキーの保管にスギの樽を使うことで香りをお酒に移したり、またスギそのものの香りや成分をダイレクトに得ることができる精油なども作られるようになりました。
昔から日本の生活文化を支え、今も私たちの身近なところに用いられています。
・・・・・・ 産地の名前を冠するスギ ・・・・・・
天然秋田杉、北山杉、立山杉、吉野杉、尾鷲杉、天竜杉、日田杉、飫肥(おび)杉、屋久杉など、
スギの産地の名前を冠する〇〇杉は日本各地にあります。
これらの名前は地域名称となり、それぞれのスギの種が異なるわけではありません。
※1種1属のスギですが、産地の名前を冠するスギが各地にあり、その木の質にはそれぞれの産地特有の特徴があります。
気候、土質、植わっている斜面の向き、水分量などはもちろん育った環境が天然林であるか、人工林であるか人工林においては「苗木の種類が挿し木苗(クローン)か、実生(みしょう)苗か」「植林方法が密植か、疎植か」「植林後の手入れ」など、これらの差により、産地特有のスギ材ができ、寿命も異なります。
・・・・・・ 現存するスギの天然林 ・・・・・・
様々な時代背景により、日本各地にあった多くのスギの天然林は伐採されました。
その後、多くの天然林跡地は自然回復が見込めずにスギを植林し、その植栽面積が増加していくとともに、天然林は減少していきました。
残り少なくなっていく貴重なスギの天然林 「秋田の秋田杉」、「屋久島の屋久杉」は天然記念物に、「高知の魚梁瀬杉」は保護林に指定されています。
・・・・・・ スギ花粉症 ・・・・・・・
日本人の約4割が罹患し、国民病とまで言われるスギ花粉症の原因はスギの雌花の花粉です。
戦後の復興の為に国策で植林が進められたものの、その後林業が衰退した為に伐採されずに成長し続け、毎年大量の花粉を飛散させています。

スギ ( 杉 )
ヒノキ科スギ亜科スギ属 [1]
常緑針葉樹 1属1種の日本固有の植物
植物学名「Cryptomeria japonica(クリプトメリア ヤポニカ)」
ラテン語「隠された日本の財産」の意
日本の樹木で 一番植栽面積が多く [2] 、一番背が高く成長し [3]、一番長生きする [4]
天然の分布 青森県鰺ヶ沢町矢倉山 〜 鹿児島県屋久島町 [5]
縄文時代の遺跡からは木材片やスギの丸木舟が発見されており、道具や住居など様々な用途で人々の生活に密着していたものであることが分かっています。
《 世界的に有名なスギ 》
縄文杉(じょうもんすぎ) 鹿児島県屋久島町

日本で一番の長寿木 推定樹齢2170年〜7200年
世界長寿樹木ランキング 第4〜8位
※幹の中心部が消失している為、樹齢は推定となり、ランキングも不確定となっています。
樹高 25.3m 胸高周囲 16.4m
荒川登山口から 歩行距離 約20Km 往復所用時間 約10〜11時間
縄文杉を見るための日帰り登山者数 2008年度 9万人 近年 6万人
[1] 以前はスギ科とされていましたが、近年のDNAの遺伝子分析に基づいた分類体系により、ヒノキ科に統合されました。
[2] 日本の森林面積の17%はスギの人工林。人工林に占めるスギの割合は43%
[3] 一番背の高い杉 「花脊(はなせ)の三本杉」 62.3m
京都市左京区 大悲山(だいひざん)国有林内
[4] 一番長生きの杉 鹿児島県屋久島町 「縄文杉」 推定樹齢2170年〜7200年
幹の中心部が消失されている為、正確な樹齢は不明
[5] 現在のスギ分布は植林により北海道の道南地域〜沖縄県の本島北部に広がっています。
・・・・・・ スギのルーツ ・・・・・・
スギ科(現在のヒノキ科)の植物は中生代(2億5000万年前〜6600万年前)末に出現し、第三紀(6500万年前〜170万年前)初めに全地球上に分布を広げました。
その後は氷期の寒冷・乾燥で大部分の場所で絶滅したのですが、限定された分布域の多雨多湿域や水辺域で生き延びることができたものがありました。
屋久島の地で避難していたスギがその1つです。
台湾の先祖から進化してきたと推察されています。
氷河時代が終わり、暖かさの回復とともにスギは北上を開始し、高知県の魚梁瀬(やなせ)など各地にスギの自生地を残しながら、東北まで分布を広げていきました。
屋久島のスギの遺伝子型が変化に富むことからも、日本のスギのルーツは屋久島のスギだったと推定されています。
・・・・・・ スギの名前の由来 ・・・・・・
真直ぐの木「直ぐ木(すぐき)」
成長が早いことから「すくすく育つ木」
上へ上へと伸びることから「ススキ(進木)」
など諸説ございますがいずれの説もスギの成長の様子が語源になったと考えられます。
・・・・・・ スギの作用・使用用途 ・・・・・・
スギの材の特徴として、冬は暖かく、夏は涼しい環境を作ることができる調温作用、除湿と加湿の調整をする調湿作用、殺菌作用、抗菌作用、カビや雑菌の繁殖を抑える作用、防虫作用、通気作用、防水作用などがあります。
樹木は光合成によって二酸化炭素を吸収し、地球温暖化を防止する作用があることはよく知られていますが、大気中の有害ガスを吸収・吸着して空気を浄化する作用もあることもわかり、スギはその作用が顕著であることが分かりました。
木材として加工しやすく、また直線的な木目が美しいことから様々な用途に活用されてきました。
柱・天井板・建具などの建築材全般、家具、木箱、樽、桶、下駄、割りばし、包装用材、装飾材、船舶材、電柱など
奈良時代に書かれた日本書記には「スギは舟に使いなさい」の記述もあります。
現在では素朴な質感や柔らかな手触りなどを五感で感じとれる雑貨や食器が好まれたり、日本酒やウイスキーの保管にスギの樽を使うことで香りをお酒に移したり、またスギそのものの香りや成分をダイレクトに得ることができる精油なども作られるようになりました。
昔から日本の生活文化を支え、今も私たちの身近なところに用いられています。
・・・・・・ 産地の名前を冠するスギ ・・・・・・
天然秋田杉、北山杉、立山杉、吉野杉、尾鷲杉、天竜杉、日田杉、飫肥(おび)杉、屋久杉など、
スギの産地の名前を冠する〇〇杉は日本各地にあります。
これらの名前は地域名称となり、それぞれのスギの種が異なるわけではありません。
※1種1属のスギですが、産地の名前を冠するスギが各地にあり、その木の質にはそれぞれの産地特有の特徴があります。
気候、土質、植わっている斜面の向き、水分量などはもちろん育った環境が天然林であるか、人工林であるか人工林においては「苗木の種類が挿し木苗(クローン)か、実生(みしょう)苗か」「植林方法が密植か、疎植か」「植林後の手入れ」など、これらの差により、産地特有のスギ材ができ、寿命も異なります。
・・・・・・ 現存するスギの天然林 ・・・・・・
様々な時代背景により、日本各地にあった多くのスギの天然林は伐採されました。
その後、多くの天然林跡地は自然回復が見込めずにスギを植林し、その植栽面積が増加していくとともに、天然林は減少していきました。
残り少なくなっていく貴重なスギの天然林 「秋田の秋田杉」、「屋久島の屋久杉」は天然記念物に、「高知の魚梁瀬杉」は保護林に指定されています。
・・・・・・ スギ花粉症 ・・・・・・・
日本人の約4割が罹患し、国民病とまで言われるスギ花粉症の原因はスギの雌花の花粉です。
戦後の復興の為に国策で植林が進められたものの、その後林業が衰退した為に伐採されずに成長し続け、毎年大量の花粉を飛散させています。



































